臨床實驗
Behcet症候群と思われる前房蓄膿性出血性虹彩炎の1例及びその組織學的所見
小口 昌美
1
,
河瀨 澄男
1
,
吉川 史郞
1
1日本醫科大學眼科
pp.48-50
発行日 1952年1月15日
Published Date 1952/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201044
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Behcetは1927に口腔粘膜のアフタ樣潰瘍陰嚢皮膚の潰瘍及び前房出血性再發性虹彩炎を1つの症候群としヴィールス性疾患とした。本邦に於ては原田氏等の1例,田坂,淸水氏の1例,三宅友松氏の1例の報告がある。又三方氏はTibione使用中現われた同樣疾患を報告しているが比較的稀な疾患に屬する。一方本症候群と類似症状を呈するものに開口部糜爛性外皮症があるが,本症は症状が急劇重篤なるに不拘經過早く豫後も良好で再發はないとされている。所がBehcet症候群として報告されたものは何れも經過極めて慢性で再發の傾向強く難治のもので開口部糜爛性外皮症とは可成りの異つた症候群と解される。
私共は本症候群と思われる1例を經驗し種々の治療にも不拘再三再發し遂に續發性緑内障を併發し一眼を摘出,その組織學的所見を得たので茲に報告する。
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