臨床實驗
「コーヌス」に關する研究
百瀨 光子
1
1東邦醫大眼科
pp.27-47
発行日 1952年1月15日
Published Date 1952/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201042
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緒言
コーヌス(以下「コ」と略記す)は近視眼に密接な關係を有し,從つて近視眼の成因論即ち,眼軸延長説又は屈折説を論ずる際に,「コ」が重要な意義を有するものゝ樣である。換言すれば眼軸延長の結果として「コ」が生ずると考えている樣である。所が「コ」は近視眼のみならず正遠視眼にも見られる。從つて正遠視眼にみられる「コ」を追究しなければならないのであるが,案外廣範圍且詳細な研究はされていない。一般に「コ」に關する研究は,18世紀頃より研究されているが,何れも混然一體的に記述されている場合が多く,「コ」の種類に就て比較検討した文献は殆んど見受けられない。そこで私は各年齡を通じ,主として正遠視の「コ」(以下正遠「コ」と略記す)の形,大いさ,位置,色調等臨床所見を検索分類し且これを統計學的に検討し,更に又組織學的に追究し,いさゝか新知見を得たのでこゝに述べ,皆樣の御批判を仰ぎ度いと思う。
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