今月の表紙
卵黄状黄斑ジストロフィ(偽前房蓄膿期)
福井 勝彦
1
,
寺崎 浩子
2
1旭川医科大学眼科
2名古屋大学眼科学
pp.1799
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101944
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初診時7歳の女児。学校検診で視力低下を指摘され近医を受診,両眼黄斑部の変性を認め,精査のため当科を紹介された。視力は右0.5(1.2×+0.25D),左1.2(1.5×-0.25D)であった。両眼の黄斑部に2乳頭径の境界鮮明な円形病巣がみられ,網膜色素上皮内のリポフスチン顆粒が網膜下腔に流出して貯留していた。網膜電図では左眼にa波の減弱を認めたが,b波,律動様小波は両眼とも異常を認めなかった。眼球電図ではL/D比は正常であった。両親および兄弟2人の眼底に異常はみられなかった。
写真は初診時から4年経過した11歳時のものである。フルオレセイン蛍光眼底造影では,両眼の円形病巣内の辺縁に早期から淡い過蛍光,中央の貯留部では強い過蛍光がみられたものの蛍光漏出はなかった。インドシアニングリーン蛍光眼底造影では,円形病巣に一致して境界不鮮明な蛍光遮断による淡い低蛍光,中央の貯留部では強い蛍光遮断が観察された。
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