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あとがき
根木 昭
pp.1930
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102553
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一挙に4人の日本人科学者がノーベル賞を受賞するという吉報が届きました。化学賞を受賞された下村 脩氏の研究は緑色蛍光蛋白質(GFP)の解明です。GFPは医学研究の分野でも今やなくてはならない道具となり,広く知られた名前ですが,下村氏がその発見者であったことを今回初めて知った人も多いのではないでしょうか。
さて,日本人受賞者は増えましたが,その中に医学部出身者が1人もいないのは寂しいことで,医学部出身者としては肩身が狭いところもあります。医学生理学賞の受賞者はほとんど欧米,とりわけ米国に偏っています。研究環境,人材登用制度,方法論が整っていることは異論がありません。主要医学基礎論文数が世界第3位のわが国からこの分野の受賞が少ないのは残念なことで,獲得のための戦略が必要なようです。少し手前勝手になりますが,神戸大学出身の山中伸弥氏が開発したiPS細胞による研究が大いに発展し,受賞されることを期待したいと思います。
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