文庫の窓から
『東医宝鑑』
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
安部 郁子
1
1研医会
pp.374-377
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103120
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海東第一といわれる朝鮮の医書
岡西為人は『中国醫家本草考』の第二章の最後である第二四節を『東医宝鑑』で締めくくっている。年代的には第二一節の『医宗金鑑』のほうが後の時代のものになるが,『医方類聚』と『東医宝鑑』は朝鮮の書物であるため,中国の書と区別して章の終わりにまとめて2節を置いたのであろう。
『医方類聚』は世宗が命じて作らせた266巻の巨編で,1443年から1477年にかけて編纂,校正,印刷が行われたとされている。残念ながら朝鮮では失われたが,日本に伝存するものがあって,江戸時代,天明4年に多紀氏の所蔵となって文久元年には活字本として刊行された。1965年にはソウルの東洋医科大学から写真版で出版されているが,当図書館には所蔵がないので,『医方類聚』については割愛させていただく。
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