今月の表紙
眼内悪性リンパ腫
水澤 剛
1
,
坂本 泰二
2
1東京医科大学病院眼科
2鹿児島大学
pp.421
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103124
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症例は83歳,女性。右眼の霧視を自覚し,近医を受診した。右眼眼底に白色のわずかに隆起を伴う病変を認め眼内悪性リンパ腫の疑いで当科を初診した。視力は右0.5(0.9p×+0.50D()cyl-1.75D 100°),左0.7(矯正不能),硝子体にわずかな混濁を認めた。写真は当科初診時のものであるが,その後の精査で眼内悪性リンパ腫の診断に至った。
撮影は,興和社の無散瞳・散瞳眼底カメラVX-10α+Nikon社のD80を用い画角50°で行った。画像加工にはAdobe社のPhotoshop Elements 2.0を用い,眼底像のみを抽出し,画像重複部分を不透明度20%の消しゴムツールで消し,17枚の眼底写真から形成している。眼底カメラの初期設定で撮影すると白色隆起病変がハレーションを起こしてしまうため,フラッシュ光量を1段階下げ,さらにD80の設定をISO感度500から640に変更し撮影している。この条件下では白色の隆起病変もハレーションを起こさず,正常網膜も比較的明るく描出される。写真は今後の経過も考慮し,病変部分以外も撮影した。
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