ことば・ことば・ことば
早とちり
pp.361
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103117
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英語でscurvyと言えば「壊血病」だと思うのが常識ですが,シェークスピアの作品には全部でこの単語が24回出てきます。彼は1600年前後に活躍し,1616年に亡くなっているので,「壊血病がそんなに多かったのか」と気になりました。
答は簡単でした。Scurvyの単語には名詞と形容詞の2通りがあり,シェークスピアが使ったのは,“A most scurvy monster”の例が示すように,すべて形容詞なのです。これは名詞のscurfから来ています。皮膚や頭髪にできる「ふけ」のことで,これが形容詞になり,「卑劣な」といった意味になりました。
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