Japanese
English
特集 黄斑手術の基本手技
黄斑前膜手術の基本手技
Basic concepts and techniques of surgical treatments for epiretinal membrane
瓶井 資弘
1
Motohiro Kamei
1
1大阪大学大学院医学系研究科眼科学
pp.1714-1720
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103005
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
黄斑前膜(上膜)は,日常診療で遭遇する頻度が高く,手術の難易度も高くないため,黄斑手術の入門に位置すると思われる。単純硝子体切除がある程度できるようになって,次のステップとして網膜付着組織の除去を始める段階の術者がまず取り組むことの多い疾患となる。
しかし,適応を厳しくして術前に患者とよく相談し,手術も手順の計画をしっかりと立ててから臨まないと,逆に最もトラブルの多い手術となる。術前視力が比較的よい症例が多いだけに,術後の不満を耳にすることも多い。また,黄斑手術に共通したことだが,周囲組織のダメージをいかに少なく抑えるかが重要となってくる。すなわち,網膜・網膜色素上皮・脈絡膜の損傷を最小限に抑えることが求められ,初心者は十分に計画を練ってから手術に臨んでほしい。
したがって,本稿では適応や術前にしておくべきことを詳しく述べ,続いて手術手技を解説し,最後に術後のフォローに言及した。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.