眼科手術の適応―最新情報
8.網膜硝子体 8)黄斑前膜の硝子体手術
岡本 史樹
1
1筑波大学眼科
キーワード:
変視
,
不等像視
,
大視症
,
コントラスト感度
,
立体視
Keyword:
変視
,
不等像視
,
大視症
,
コントラスト感度
,
立体視
pp.1255-1261
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000000171
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黄斑前膜は黄斑疾患のなかで最も一般的な疾患である。自覚症状の全くない患者もいれば,視力低下とともに変視や不等像視など,さまざまな視機能障害をきたすものもいる。硝子体手術により前膜を除去することが唯一の治療である。治療により視力が改善することは知られているが,他の視機能はどれだけ改善するかはあまり知られていない。治療の原点は前膜を除去することではなく, 患者の自覚症状や視覚の質,quality ofvision(QOV)を向上させて最終的にquality of life(QOL)を改善させることにある。原点に立ち返って考えてみると,前膜除去手術がどれだけQOV やQOL を改善させるかによって,手術適応が見えてくる。本稿では黄斑前膜とその手術におけるQOV やQOL について述べ, そこから“患者ファースト”の手術適応を考えてみたい。
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