今月の臨床 子宮内膜症
診断と臨床期分類
15.外性子宮内膜症の臨床進行期分類
星合 昊
1
Hiroshi Hoshiai
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.50-52
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900700
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子宮内膜症の臨床進行期分類のうち,内診所見によるBeecham分類1),開腹所見によるAcosta分類2),ラパロスコピーによる杉本分類3)などが本邦ではよく用いられている。しかし最近本邦でも子宮内膜症の診断は開腹またはラパロスコピーによらねばならないとの考えが確認され,アメリカ不妊学会での新分類法の発表(AFS分類)ともあいまって一挙に子宮内膜症の分類にはアメリカ不妊学会分類改訂版(Re-AFS分類)4)を使用すべきとの意見が大勢を占めた。しかしRe-AFS分類も臨床症状や不妊に対する予後と相関せず,大きな問題点を含んでいる5)。日本産科婦人科学会子宮内膜症診断基準設定委員会での検討の結果,委員会として独自の臨床進行期分類設定の必要性は認識しつつも現在では国際性も考慮しRe-AFS分類を採用することが適切であろうとの結論を得た。しかし実際には,挙児希望のない子宮内膜症に全例腹腔鏡を実施することの困難さも考慮し,直視下による診断がでないときには当面Beecham分類をも採用し,診断を〈臨床子宮内膜症〉とすることで意見の一致をみている。
そこで本論文では,R-AFS分類と共にBeecham分類についても解説する。
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