今月の臨床 子宮内膜症
診断と臨床期分類
14.内視鏡診断
高瀬 規久也
1
,
星合 昊
1
Kikuya Takase
1
,
Hiroshi Hoshiai
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.48-49
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900699
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- 文献概要
近年,外性子宮内膜症は増加傾向にあり,不妊症例との関連も深く,より確実な診断とともに,初期病変の発見が重要となってきている。診断には,問診,内診,直腸診,子宮卵管造影(Hystero—salpingography,HSG),超音波断層法,ComputerTomography(CT),Nuclear Magnectic Reso—nance(NMR)などの画像診断,あるいは,CA125,CA19-9などの腫瘍マーカーによる血清学的診断があるが,明らかな卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)を認める症例を除いては困難であろう。そこで近年,産婦人科領域において普及してきた腹腔鏡による直視下診断は,確定診断,早期発見という意味においても有効な手段であり,治療的な面からも今後広く活用すべき手段である。本稿では,腹腔鏡の子宮内膜症における当科での適応,方法,診断,副作用につき不妊症との関連も考慮しまとめてみた。なお,本論文での子宮内膜症とは従来の外性子宮内膜症であり,内性子宮内膜症(子宮腺筋症)は除いてある。
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