今月の臨床 子宮内膜症の新しい治療戦略
不妊症の治療
子宮内膜症と不妊
小畑 孝四郎
1
,
星合 昊
2
1近畿大学医学部奈良病院産婦人科
2近畿大学医学部産科婦人科
pp.181-185
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100032
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はじめに
子宮内膜症は疼痛と不妊を主訴とする疾患であり,女性のリプロダクティブヘルスを損なう疾患である.疼痛は子宮内膜症患者の30~50%1)に認められ,また,不妊症患者の30~60%に子宮内膜症が存在する2).
子宮内膜症性不妊の要因として,プロスタグランジン,サイトカインなどの腹腔内環境や免疫異常,癒着による卵巣・卵管機能障害など数多く報告されているが,必ずしも十分解明されているとはいえない.しかしながら,これらの要因を取り除くことが子宮内膜症性不妊症の治療につながるものと思われる.
子宮内膜症性不妊の治療には待機療法,薬物療法,手術療法があるが,最終的に妊娠できなければIVF─ETなどのARTに移行せざるを得ない.薬物療法,手術療法,ARTの詳細は次項を参照していただき,本稿では子宮内膜症合併不妊の治療戦略を中心に解説する.
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