症例
Neoadjuvant chemotherapyが著効を示した外性子宮内膜症病変から発生した原発性腟腺癌
林 博章
1
,
森 和郷
1
,
瀬戸 俊之
1
,
野呂 崇
1
,
佐藤 賢一郎
2
,
藤井 美穂
2
,
大西 登
3
Hiroaki Hayashi
1
,
Kenichiro Sato
2
,
Noboru Ohnishi
3
1森産科婦人科病院
2札幌医科大学産婦人科
3大西病院
pp.1249-1253
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901494
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子宮内膜症は,臨床上,日常よく遭遇する疾患ではあるが,子宮内膜症の悪性化はきわめてまれである。子宮内膜症の正確な発生頻度は不明であり,その悪性化の頻度も不明である。今回,直腸・腟中隔に限局した子宮内膜症病変からの悪性化をきたした原発性腟腺癌(Ⅲ期)を経験した。
CA125(460IU/ml)以外の腫瘍マーカーCA19-9, CEA, SCC, SLX値は正常範囲内であった。下殿動脈からの動注術前化学療法によるNeoadjuvant chemotherapy〔etop—side, mitomycin(MMC),cisplatin, 5FU〕が著効を示し5クール終了時点で腫瘍サイズは内診およびCT画像上90%以上の縮小を認めた。直ちに広汎子宮全摘出術および直腸部分切除術を施行し,術後約2年を経過して再発傾向は認められない。
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