原著
外性子宮内膜症の妊娠成立に関するscoringによる予後推定法について
増崎 英明
1
,
石丸 忠之
1
,
藤下 晃
1
,
倉田 須和子
1
,
山辺 徹
1
Hideaki Masuzaki
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.549-552
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207640
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不妊を伴う外性子宮内膜症(内膜症)の治療による妊娠の可能性を治療開始時点に知ることを目的として,scoringによる予後推定法について検討した。対象は腹腔鏡により内膜症と診断された57例(I期25,II期22,III期10)で,このうち30例(I期14,II期13,III期3)は保存的治療により妊娠が成立した。また27例については,6カ月以上経過観察したが妊娠は成立しなかった。そこで,これら両群の比較から,妊娠に関与する因子を抽出し,各因子にそれぞれ妊娠する可能性に応じた点数を配分した。その結果,年齢(30歳以下5点,31〜35歳3点,36歳以上0点),不妊期間(3年以下6点,4〜5年4点,6年以上1点)および卵管病変(正常7点,一側性病変4点,両側性病変だが少なくとも一側の疎通性あり3点)の総合得点により判定する予後スコアが作成された。両側卵管閉塞の7例を除くと,妊娠に至る確率は得点が10点以上の例では82%(27/33)であり,9点以下18%(3/17)であった。
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