原著
外性子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の電子顕微鏡学的検討
早田 隆
1
,
ベルドゥオ フランシスコ
1
,
川島 吉良
1
,
太田 勲
2
,
村中 祥悟
2
Takashi Hayata
1
,
Isao Ota
2
,
Yoshinori Muranaka
2
1浜松医科大学産婦人科学教室
2浜松医科大学電子顕微鏡共同実験室
pp.493-499
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208008
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1)不妊と関連の深いとされる外性子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の5症例につき,電顕的に検討した。
2)5症例の内訳は,37歳から47歳にわたり(平均40.8歳),チョコレート嚢胞の大きさは最大径3〜5cmが4例である。
3)電顕的に,核は5例中4例の異所内膜腺管上皮において,多角形を呈し,核膜不整である。
4)細胞質の細胞内小器官は中等量である。5例中4例に微絨毛を認める。
5)われわれの先の内性子宮内膜症(子宮腺筋症)の電顕像と比較・検討すると,凹凸不整の不規則核膜を有する核の所見が,本症の特徴である。
6)これらの電顕様は,チョコレート嚢胞の発生病理を考える際 Sampsonの子宮内膜移植説よりもむしろ体腔上皮の化生説を支持するものと思われた。
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