Modern Therapy 新生児異常発見のための臨床検査
新生児診断学を確立したい
品川 信良
1
Shinryo Shinagawa
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.243-245
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206411
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近年,わが国においても,周産期医学というものは非常に盛んになってきた。しかしその主力は,分娩中の胎児の管理に注がれており,新生児医学そのものが,それほど盛んになったとはいえない。特に,新生児に関する診断学は,いわば医学以前の段階に依然として低迷している。仮死第1度とか第2度という表現が,アプガーのスコアという表現にかわった以外は,あいもかわらず新生児の身長,体重,頭囲などに関する計測と,外表奇形の有無に関する観察ぐらいで,「能事おわれり」としている場合が多い。
これでは新生児もかわいそうであるが,産科医療そのものも伸びないと思う。また,近代医学や現代医療の戦列からは,ますます脱落してゆくばかりだと思う。
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