研究・調査・報告
極小未熟児の経口授乳確立の時期
横尾 京子
1
,
床津 幸
1
1大阪府立母子保健総合医療センター 新生児棟
pp.1024-1029
発行日 1983年12月25日
Published Date 1983/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206357
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はじめに
周産期医療の高度化によって,今日では,極小未熟児のintact survivalが期待できるようになった。とりわけ,極小未熟児のケアにおいて栄養管理は最も重要な問題のひとつである.栄養管理が不備であると,罹患率を高め入院期間を延長させるという結果を招くことから,児の成長と栄養,および消化器系の機能の成熟に対する関心が強くよせられるようになった。
われわれは,未熟児の吸啜・嚥下反射の観察をとおして次の2点に注目した。すなわち,①受胎後週齢で比較的早期から経口授乳(直接母乳哺乳および哺乳びん授乳)は可能ではないか,②細管栄養法から経口授乳への移行は,初期から比較的問題の少なかった極小未熟児では,在胎期間,出生体重および成熟度の影響をうけ,経口授乳はある一定時期に一律に確立されるものではないのではないかということである。
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