論述
Thiemann病とPeripheral dysostosis-Brailsford(Hereditary brachy-dys-mesophalangy)との異同性について
塩之谷 昌
1
Masashi SHIONOYA
1
1名古屋大学医学部整形外科学教室
pp.1037-1045
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904012
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1909年Thiemannは,16歳女子の右中,環指,左中指のP. I. P.関節の紡錘状腫脹,およびX線上,その中節骨骨端核が,メニスクス様形態と陰影濃淡不整を呈する症例を,Idiopathische Erkrankung der Epiphysenknorpel der Fingerphalangenとしてはじめて報告し,素因に基づくか,もしくは原因不明の要因が成長期骨端軟骨部に働いて,成長障害を起させたものと考えた.ついで1923年Fleischnerは,14歳女子の自験例のX線所見からその骨端核の変化が当時発表された一連の骨端症,すなわちOsgood-Schlatter病,Perthes病,Kienbock病などと類似することを指摘し,Multiple Epiphysenstorungen an den Händen(Eine bisher unbekannte Lokalisation der Osteochondropathia juvenilis)として報告した.それ以来,本症をThiemann病ないしは,Thiemann-Fleischner病として,骨端症の範疇に入れるべきものであるとの考えが主流をなしてきた.
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