臨床経験
脊髄麻痺をきたしたDysostosis generalisataの症例
大場 良臣
1
1足利赤十字病院整形外科
pp.101-105
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904183
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先天性鎖骨欠損症は1760年Meckelの報告来多くの報告がある.1898年Marie Saintonは鎖骨形成不全の他に頭蓋骨の形成不全を伴い,遺伝的関係のある一連の疾患としてDysostosis cleidocranialisと命名した.本邦では1925年高橋の先天性鎖骨欠損症の報告があり,1932年羽根田は鎖骨,頭蓋骨のみならず全身の骨格に形成不全があることからDysostosis generalisataと呼ぶことを提唱した.
我々は最近左鎖骨欠損,左肩甲骨形成不全,左第1,2,3肋骨形成不全,胸骨柄欠損,左上腕骨骨頭変形を有するDysostosis generalisataと思われるものに,脊椎奇形と食道憩室を合併し,憩室の感染により頸椎々体を犯し,慢性脊椎炎をおこし脊髄麻痺を発生して死亡した症例養例を経験したので報告する.
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