Japanese
English
論述
肩峰骨折―臨床的分析と受傷機転の推測
Fracture of the Acromion: Analysis of Clinical Cases and Conjecture Regarding Mechanism
小川 清久
1
,
松本 隆志
1
,
松井 健郎
2
Kiyohisa Ogawa
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
2埼玉医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
肩関節
,
shoulder joint
,
肩峰
,
acromion
,
骨折
,
fracture
,
機転
,
mechanism
Keyword:
肩関節
,
shoulder joint
,
肩峰
,
acromion
,
骨折
,
fracture
,
機転
,
mechanism
pp.249-255
発行日 1993年3月25日
Published Date 1993/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901064
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抄録:肩峰と肩甲棘遊離部に生じた骨折は,臨床的に一括して肩峰骨折として扱われることが多い.しかし,この部位の骨折31例を分析した結果,肩峰と肩甲棘遊離部骨折では合併損傷の特徴と推測される受傷機転が異なり,両者は厳密に区別されるべきものであることが判明した.即ち,肩峰骨折は,肩外方から加わった介達外力により肩甲骨・鎖骨問に生じた勇断力がもたらす肩甲骨・鎖骨間結合の破綻が本態と推測された.烏口突起骨折・肩鎖関節損傷を高率に合併し,複合損傷の形態をとることが多い.治療は肩甲骨・鎖骨間結合の再建が主目的となり,肩峰骨折自体あるいは他損傷部位の観血的整復固定をしばしば要する.肩甲棘遊離部骨折は,肩峰に後外方から加わった直達外力により発生すると推測され,合併損傷は少ない.治療は保存的治療が主体となる.
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