発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007291645
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3歳男児。患者は発熱および左肩関節痛を主訴とした。所見では左肩関節前面に熱感を伴う腫脹がみられ、緊急MRIにて化膿性肩峰下滑液包炎と診断された。滑液包穿刺を行なったところグラム陰性桿菌が検出され、パニペネム・ベタシプロン投与が開始された。その結果、翌日より解熱となり、肩関節痛も一時的に軽減した。だが、6日目に至り、再び38℃の発熱と肩関節痛が出現、メロペネム三水和物投与に変更したものの、培養結果にて起炎菌はβラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌と判明した。以後、塩酸ミノサイクリン投与に変更後、臨床症状およびCRP値は改善し、更にクラリスロマイシンの内服にて患者は退院となった。尚、1年後の受診時には、臨床上肩関節ROMに左右差はなく、その他の異常所見もみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007