発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005275577
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38歳男.誘因なく左肘関節の運動時痛が出現し前医を受診した.X線検査で左上腕骨顆部に腫瘍を認められ,腫瘍掻爬+人工骨充填術を受け,病理診断は血管腫であった.約1ヵ月後,左肘関節と肩関節の疼痛が出現し,局所再発および左肩峰・鎖骨の腫瘍を指摘され紹介受診した.触診で左肘関節部に2×3cm大,左鎖骨部に2×2cm大の軽度膨隆を認めた.膨隆はいずれも境界不明瞭,骨性硬,表面粗,可動性なしであった.X線検査で左上腕骨顆部と左肩峰・鎖骨に骨透亮像を認めた.MRI検査では左上腕骨顆部がT1強調像で中~高輝度,T2強調像で高輝度を呈した.左上腕部の血管造影で腫瘍に一致する濃染像が認められた.前医での診断は血管腫であったが,再発であり悪性度の進行が考えられたため手術では腫瘍辺縁から1~3cmのマージンをとって摘出し,病理組織学的に血管内皮腫と診断した.術後4年の現在,再発は認めていない
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