特集 凍結肩の最新の知見と治療法
凍結肩に対するステロイド内服療法の効果 肩峰下滑液包内注入療法と比較して
高瀬 勝己
1
1東京医科大学 運動機能再建外科学茨城寄附講座
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
Prednisolone
,
肩関節
,
滑液包
,
関節周囲炎
,
肩峰
,
骨粗鬆症
,
大腿骨頭壊死
,
関節内注射
,
疼痛測定
,
経口投与
,
治療成績
,
関節角度測定
Keyword:
Administration, Oral
,
Acromion
,
Bursa, Synovial
,
Femur Head Necrosis
,
Injections, Intra-Articular
,
Pain Measurement
,
Periarthritis
,
Osteoporosis
,
Prednisolone
,
Shoulder Joint
,
Treatment Outcome
,
Arthrometry, Articular
,
Hyaluronic Acid
pp.1038-1043
発行日 2017年10月19日
Published Date 2017/10/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2018195195
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凍結肩を6項目にて明確に定義し、ステロイド内服療法と肩峰下滑液包内注入群にて、ステロイド内服療法の有用性について検討した。凍結肩の定義に該当かつインフォームドコンセントに承諾を得られた患者72例(男性39例、女性33例、治療開始年齢平均54.8歳)にプレドニゾロンを投与し、肩峰下滑液包内注入群31例(男性13例、女性18例、治療開始年齢平均58.7歳)を対照群とした。その結果、治療2ヵ月経過時の疼痛評価では、ステロイド内服療法は、肩峰下滑液包内注入群と比較して、明らかに優れた治療結果であった。一方、肩関節ROM改善度における有意差検定では、2ヵ月時の評価では、ステロイド内服群では有意な改善がみられたが、10ヵ月経過時では下垂位外旋以外では有意差は認められなかった。以上より、ステロイド内服療法は治療早期においては、疼痛およびROMの劇的な改善を示したが、長期では、注入療法と有意差がなかった。また、大腿骨骨頭壊死や骨塩減少などの問題があるため、十分な注意や患者へのインフォームドコンセントが必要と考えられた。
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