臨床室
多数の米粒体を伴った慢性肩峰下滑液包炎の3例
江川 琢也
1
,
水掫 貴満
,
仲川 喜之
,
倉田 慎平
,
井上 大典
,
奥本 洋樹
,
竹嶋 俊近
,
田中 康仁
1宇陀市立病院 整形外科
キーワード:
Methotrexate
,
滑液包炎
,
関節鏡法
,
関節鼠
,
関節リウマチ
,
肩峰
,
MRI
,
Bucillamine
,
滑膜切除
,
Beta-Tricalcium Phosphate
,
骨穿孔法
Keyword:
Acromion
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Arthroscopy
,
Bursitis
,
Methotrexate
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Loose Bodies
,
Bucillamine
,
Beta-tricalcium Phosphate
pp.1271-1274
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016083040
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症例1は58歳女性で、両肩関節の腫脹・疼痛を主訴に、前医にてリウマチ性肩関節炎としてMTXを投与されるも改善しなかった。症例2は63歳女性で、左肩関節の腫脹・疼痛とROM制限を主訴とした。症例3は63歳男性で、右肩関節の腫脹・疼痛とROM制限を主訴とした。いずれの症例もMRIでは多数の米粒体を伴う慢性肩峰下滑液包炎が認められた。症例1はACR/EULAR新基準6/10点であり、RAの関与を考え、MTX+葉酸の投与を行ったが症状の改善が乏しく、関節鏡視下に滑膜切除、米粒体の摘出術を行い、術後症状は改善した。症例2はACR/EULAR新基準5/10点と診断基準を満たしていないものの、家族歴からRAの関与を考え、MTX、葉酸、ブシラミンの投与を開始し、症状の改善、滑膜炎の消退傾向を認めた。症例3はACR/EULAR新基準1/10点、家族歴や炎症反応などもなく、RA治療は行わず、保存的に治療したが炎症反応が出現したため、米粒体の摘出と滑膜切除を行い、症状は改善した。
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