Japanese
English
論述
肩関節における退行変性に対する考察―肩峰下構成体を中心として
Degenerative Process and Enthesopathy of Subacromial Sliding Mechanism in the Shoulder Joint
前田 徹
1
,
片岡 正春
1
,
木下 賢三
1
,
井形 高明
2
Toru Maeda
1
1徳島県立三好病院整形外科
2徳島大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Tokushima Prefectural Miyoshi Hospital
キーワード:
肩関節
,
shoulder joint
,
退行変性
,
degenerative changes
,
腱付着部症
,
enthesopathy
Keyword:
肩関節
,
shoulder joint
,
退行変性
,
degenerative changes
,
腱付着部症
,
enthesopathy
pp.675-681
発行日 1991年6月25日
Published Date 1991/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900361
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:中年以降の肩関節痛を訴え,軟X線を撮った320例,平均年齢62.0歳を対象とし,肩峰下構成体を中心とした肩関節の退行変性をenthesopathyとの関連より検討した.
退行変性を示す代表的X線所見は,1)肩峰下滑液包の腫脹,2)腱板の石灰沈着,3)三角筋,烏口肩峰靱帯,腱板の付着部の骨性変化,4)第2肩関節の変形性関節症様変化であった.それぞれの平均年齢はこの順位で高くなり変性過程の推移を示唆した.肩関節の退行変性の基盤となる病態としてenthesopathyの関与は重要であるが,肩峰下構成体を中心とした以上のX線所見,特に骨性変化はenthesopathyを反映していると考えられた.手術時に摘出した烏口肩峰靱帯肩峰付着部の骨棘の組織標本でこれが確認できた.さらに変性の進むものでは変形性関節症様の変化が付加されることもわかった.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.