Japanese
English
特集 早期直腸癌診療のストラテジー
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)による早期直腸癌の治療
Transanal endoscopic microsurgery in the treatment of early rectal cancer
木下 敬弘
1
,
金平 永二
1
,
大村 健二
1
,
川上 和之
1
,
渡邊 洋宇
1
Takahiro KINOSHITA
1
1金沢大学医学部第1外科
キーワード:
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)
,
早期直腸癌
,
内視鏡下手術
Keyword:
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)
,
早期直腸癌
,
内視鏡下手術
pp.439-444
発行日 1998年4月20日
Published Date 1998/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903149
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
教室では早期直腸癌に対する経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)の適応を,(1)腫瘍肛側縁から肛門縁までの距離が5 cm以上20 cm未満,(2)SM浸潤が明らかではない,(3)基部長径が1.5 cm以上を満たすもの,としている.これまでに30症例に対して施行した結果,平均腫瘍径は30.6 mm,平均手術時間は61.4分であった.術中合併症は認めず,治療を要した術後合併症は狭窄の1例(3.7%)のみであった。sm1ly11例,sm21例,sm3l例の計3例(10.0%)に追加切除を施行した.経過観察期間は最長4.5年,平均1.5年で,1例(3.7%)にのみ局所再発を認めた.
TEMは低侵襲性と根治性を兼備した外科的局所切除術として,早期直腸癌の治療体系において重要な選択肢として位置付けられるものと思われる.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.