特集 イラストレイテッド外科標準術式
Ⅲ.結腸・直腸の手術
直腸癌に対する経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー
木下 敬弘
1
,
金平 永二
2
,
近藤 樹里
1
,
山田 英夫
1
,
大村 健二
3
Takahiro KINOSHITA
1
1東邦大学医療センター佐倉病院内視鏡治療センター
2四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター
3金沢大学医学部附属病院心肺・総合外科
pp.187-195
発行日 2006年10月22日
Published Date 2006/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101013
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はじめに
経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(以下:TEM)は,1980年代初頭にBuessら1,2)によって開発された,直腸腫瘍の外科的一括切除を行う管腔臓器内手術(endoluminal surgery)の一種である(図1).現在,わが国では内視鏡的粘膜切除術(以下:EMR)の技術向上や内視鏡的粘膜下層剝離術(以下:ESD)の開発によって適応症例はかなり限定される傾向にある.しかし,TEMは(1)粘膜切除であれば全周に近い一括切除まで行える,(2)腹膜翻転部以下では全層切除が行える,(3)欠損部を確実に縫合閉鎖が行える,という特徴を有する.
TEMも開発から20年以上が経過していくつかの変法も報告されているが,本稿では,われわれが通常行っている直腸内通気法を用いたTEM原法を解説する3).
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