シリーズ 早期癌を見直す・2 早期大腸癌・9
早期大腸癌の治療と予後およびサーベイランス
吉川 宣輝
1
,
小林 哲郎
1
,
小林 研二
1
,
柳生 俊夫
1
,
蓮池 康徳
1
,
三嶋 秀行
1
,
辛 栄成
1
,
西庄 勇
1
Nobuteru KIKKAWA
1
1国立大阪病院外科
pp.1027-1033
発行日 1996年8月20日
Published Date 1996/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902373
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①はじめに
癌はそのステージにしたがって治療を行うことが原則であるが,実際の臨床の場においては患者の年齢,性別のみならず,体型や職業などを考慮して治療法が選択される.このような社会的背景を加味した治療戦略として,われわれは「大腸癌の治療では個々の症例のグレードに見合った方法を選択する」1)という基本的な考え方で診療を行ってきた.早期大腸癌という同じステージであっても,内視鏡的切除から開腹手術まで異なった縮小治療が行われる.選択肢の広い理由の1つに治療成績,予後の不確かさがある.かなりの症例が集積され,その長期予後も検討できるようになったこの時期に,早期大腸癌の治療を見直すことは大変有意義なことである.自験症例を提示しながら早期大腸癌の治療と予後およびサーベイランスを考察する.
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