特集 術前・術後管理 '91
A.術前評価・準備・処置
栄養状態の術前評価
田中 潔
1
1JR東京総合病院外科
pp.34-35
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900547
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■問題点の解説■
手術をひかえた患者に,貧血,脱水,電解質異常,低蛋白血症,低アルブミン血症,免疫能低下などの低栄養状態があると,手術侵襲に対する有効な生体反応や感染に対する免疫応答が障害され,ショック,肺合併症,腎機能不全,感染症などの術後合併症に陥りやすく,創傷治癒の遅延から縫合不全を来しやすく,術後の制癌剤療法・放射線療法も困難となる.最近,中心静脈栄養法を主体とした栄養改善法が飛躍的に進歩普及したため,低栄養状態を術前に改善することが可能になった.患者の栄養状態をさまざまな視点から客観的に評価判定することが重要となる.
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