小児の診察
栄養状態
満川 元行
1
1同愛記念病院小児科
pp.520-521
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204714
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栄養状態評価の意義は
小児のからだの診察の第一歩は,その身体のいわば「器」の発育状態が良いか悪いかの評価にはじまる.身体が大きいのか小さいのか(体格),そのからだつきが細いのか太いのか(体型),肥っているのか痩せているのか(栄養状態)などを総合して,発育が順調であるか否かを見きわめる必要がある.
ところで,体格を規定する最大の要素と思われる身長と,体型を規定する主たる要素である身長と胸囲の釣合いは,ともに個々の小児それぞれの固有の発育過程に支配されるので,これに医学的・人工的操作を加えて変更させることは甚だむずかしい.ところが栄養状態は,栄養という食餌とその摂取,消化吸収作用,中間代謝からなる栄養機転により左右されて招来される身体的状態であるので,栄養素の摂取状況(栄養法の適否),疾病の存否などにより割合に動揺しやすいので,医学的処置を行なって適正化し得る可能性をもつ.そこに栄養状態の良否を評価する最大の必要性がある.
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