特集 術前・術後管理 '91
A.術前評価・準備・処置
輸血のトピツクス
関口 定美
1,2
1北海道赤十字血液センター
2日赤血漿分画センター
pp.12-14
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900539
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■輸血における問題点とその解説■
輸血は現在の医療,特に手術に際しては欠くことのできない重要な治療手段の1つであるが,血液という多様な抗原性を有する他人の生体組織の一部を輸注することは,いわば臓器移植ともいうべきであり,輸血後の感作,ウイルス感染症は避け得ない副作用である.したがって,適正で安全な輸血を行うことは,いかにしてこれらの副作用をなくするかにかかっている.
表1は,輸血副作用の一覧であるが,輸血の実技そのものによる以外での重要な副作用は輸血感作,感染症に関するものであり,輸血される血液そのものに起因することが多いといえる.このことは逆の面からみれば,安全な輸血を行うためには,輸血を可能な限り避けるか,必要最小限の適応にとどめるべきであり,また一方では,輸血血液に対し,これら輸血感作,感染症を予防するなんらかの処置を行うことである.
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