特集 術前・術後管理 '91
A.術前評価・準備・処置
手術承諾書とインフォームド・コンセント
高木 淳彦
1
1三井記念病院外科
pp.10-11
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900538
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■問題点の解説■
現代の医療は各方面で細分化や専門化がすすみ,医師に対する社会の見方も“かかりつけの医者”よりも,学会などの認める“専門医”を重視する考え方に変わってきている.一方で,医事訴訟がふえるとともに,医療を医師と患者の契約関係としてみるほうが適切であるかのような見解が広まりつつある.こうして最近,インフォームド・コンセントという言葉がとりあげられることが多くなってきた.「説明と同意」と訳されることが多いこの言葉は,医療を事務的なものとして割り切ってしまう印象を与える危険がある.しかし,手術を前提とする外科治療においては,術前術後の管理において最も大切な基本的事項である.外科医は,患者との真心をこめた対話によって信頼関係をつくる努力をしなければならない.本項では,われわれが実際に行っているインフォームド・コンセントを得るための患者との接触と,手術承諾書について具体的に述べることとする.
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