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海外トピツクス
pp.200-201
発行日 1952年4月1日
Published Date 1952/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200714
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皮膚自律神經機能檢査
皮膚疾患と自律神經の關係は,自律神經遮斷劑の出現により,最近特に注目され始めた研究題目である。茲にはドイツ學派の自律神經の機能檢査中,臨床上でその使用價値の確認され,且つ簡單な方法を述べることにする。即ち,皮膚温度,皮膚色,皮膚電氣抵抗,汗腺機能,起毛筋反射,反射紅斑,充盈計による皮膚血流の測定である。これ等の檢査成績は正常又は自律神經機能亢進時には相互によく一致するが,時に一致しないことがある。一致しない場合には,或る皮膚機能のみ障碍されたか,別方向に變動したかによるのである。㋑皮膚温度,皮膚温度は皮膚の血流と外界の温度に左右される。皮膚の血流は自律神經で調節されているから,逆に皮膚温度測定により,皮膚の自律神經機能が判ることになる。交感神經刺戟は皮膚温度を低下させる。血管の挾窄の診斷は,交感神經遮斷に對する血管の反應による。即ち,交感神經遮斷後は,器質的障碍のない血管では,皮膚温度が上昇する。正常人で交感神經遮斷後の皮膚温度を皮膚の各所で測定した所32〜34℃であることが判つた。この温度を正常血管擴張度(Dilatations-Spiegel)という。高度の痙攣的血管收縮でも自律神經遮斷後は正常の血管擴張度を示すが,器質的障碍のある時には皮膚温度は一定の高さにしか昇らない。この場合の正常血管擴張度との差を閉塞指數(Obstruktionsindex)という(圖參照)。
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