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あとがき
瀬戸 泰之
pp.926
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213411
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口角泡を飛ばしたい!
口角泡を飛ばせなくなって久しい.学会,研究会,会議はほとんどがオンラインとなり,画面を通じての発表,議論となっている.2年前には想像もしなかったことであり,通信技術の進歩にはただ驚愕するばかりである.また,現地に赴く必要がなく,移動の時間を省略できるし,参加,出席しやすくなったうえ,交通費・会議費の節約になっていることも疑いの余地なく,デメリットばかりではないことも承知している.ただ,である.面と向かっておらず,勢い熱くなることは少なかろう.画面から顔色は伺えず,どうしてもコミュニケーションとしては希薄になってしまうきらいは否めない.人類の歴史を通じて,「飲みニケーション」もまた進歩,発展に大きな役割を果たし,潤滑油となっていたことは自明の理である(時に逆になってしまうこともあるが).その場がなくなってしまったことも,こよなくビールを愛する筆者としては残念至極である.科学や技術の進歩のためにも,口角泡を飛ばして議論したほうがいいことは間違いない.一刻も早く,そのようなコミュニケーションができる日が戻ってくることを,ただただ願うばかりである.
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