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あとがき
瀬戸 泰之
pp.128
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213255
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本号は「術後後遺症をいかに防ぐか—コツとポイント」を特集している.一読していただければ,達人たちの思いがひしひしと伝わってくる.ぜひ,若手外科医にも学んでほしい内容である.外科医は診断にとどまらず治療も行う医師である.その点では治療後にも責任を負わなければならない.外科医にとっての主たる治療手段は手術であり,体にメスを加えることを生業としている.理想的な手術は患者さんが元気な時の状態に戻すことだと思うが,固形がんの手術では殊更難しい.臓器損失に伴う症状や,手術によって起こりうる様々な症状など,患者さんはがんが根治した後でもそれらと直面しなければならない.特に早期がんの段階で発見された方の多くは無症状であるが,がん根治術を受けたあとに有症状になってしまうのである.本特集はそれらをいかに回避するか,あるいは軽減するかの創意工夫が満載である.外科医,特に若手の皆さんには,ぜひ手術を担当する前に本特集を熟読していただきたいし,周囲の仲間にも薦めていただきたい.それくらいの価値,意義あるものと思う.
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