FOCUS
膵癌早期診断のための地域医療連携システム(尾道方式)
花田 敬士
1
Keiji HANADA
1
1JA尾道総合病院消化器内科
pp.968-972
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213025
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尾道方式とは
膵癌は現在でも予後不良の疾患であり,5年生存率は男性で7.9%,女性で7.5%と報告されている1).その改善には早期診断が必須であるが,近年,病診連携を生かした膵癌早期診断プロジェクトが各地で展開され,その結果,外科的切除率の改善,早期診断例の増加,5年生存率の改善など一定の成果が報告されている2).
当院が所属する広島県尾道市医師会では,2007年から“膵癌早期診断プロジェクト(尾道方式)”が展開されている.従来から尾道市医師会では,かかりつけ医を中心に病院医師,看護師,薬剤師など各種医療スタッフが多職種で連携し,入院患者が在宅療養へ移行するシステムが稼動しており,情報交換が緊密で病診連携が良好であった3).一方,2006年に日本膵臓学会から発刊された膵癌診療ガイドラインに,危険因子が初めて記載された4)ことが契機となり,医師会での討論を経て,2007年から尾道方式が開始された3).なお,危険因子はガイドラインの改訂とともに項目がアップデートされており(表1)5),2019年版の内容が共有されている.
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