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あとがき
田邉 稔
pp.382
発行日 2020年3月20日
Published Date 2020/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212893
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俺の箱根駅伝(前編)
2020年元旦を迎え,一通り親戚回りと初詣は完了,めったにないまとまった休暇であるから,一日一日を大切に過ごさなければならない.「はて,明日1月2日は何をしようか…そうだ,箱根駅伝を応援に行こう」.熱い戦いを目前にすれば,今年一年分のエネルギーをいただけるのではないかとの思いから,そのような計画をたてて2020年の初日を終えた.ところが1月2日の朝,不覚にもやや寝坊気味で目覚め,お餅をほおばりながら買ったばかりの我が愛機,ロードバイク・ビアンキに飛び乗った.自宅から駅伝が通過する国道一号線多摩川六郷大橋までは約10km,全速力でペダルをこぎまくったが時既に遅し,道路には選手どころか観客も消え去り,何事も無かったように車が行き交うのみ.
「しまった(゜ロ゜;),でもこのまま引き下がってたまるか!」.私は即座にビアンキを全力疾走させ,駅伝を追いかける決心をした.フルカーボンフレームにホイールはカンパニョーロ・シャマルウルトラ,コンポはシマノ105,地味な国立大学教員としては思い切った投資をしたイタリア製ロードバイク,「俺の愛機にかかれば駅伝野郎などあっという間にキャッチアップ!」…これが最大の誤算であった.川崎⇒鶴見⇒横浜⇒戸塚中継所,2時間近く全力疾走したが観客の影すら見当たらない.しかし道路沿いには「箱根駅伝交通規制」の立て看板が並んでおり,確かに彼らが走った形跡がある.
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