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今,ジョギングに凝っている.「走るなんて,そんなつまらないことを何故?」私自身も以前はそう思っていた.スポーツとは体力だけでなく,技やtacticsを競うものだと信じていたので,学生時代はサッカー部や競技スキー部に所属していた.町中で走っている人々をよく見かけるが,「無駄でつまらない努力」と無視していた.では何故ジョギングをする羽目になったのか?……それはちょうど1年前の本誌編集後記でご披露したとおりだが,まとめると……肥満体の旧友がジョギングでスレンダーなイケメンに激変→触発されてGPS付きスポーツウオッチを購入→夏休みに妙義の大自然のなかでジョギングを開始……といった具合であった.
あれから1年,飽きっぽい私であるから,とっくに止めているはずだったが,今も週3回は走っている.しかも最初の頃は1回に4〜5 kmだったのが,最近は10 km以上になっている! 毎年元旦は川崎の実家に帰り,付近を散歩するのが私のルーチーン.母校である地元の小学校,慶應普通部,慶應高校など,思い出の場所がすべて徒歩圏内,ぐるりと歩くとだいたい8 kmである.昨年までは散歩がてらにゆっくりと時間をかけて回り,ノスタルジアに浸るというのがだいたいのパターンであった.しかし,今年は走って回ることにした.すると,景色の移り変わりの速いこと,「ノスタルジア」というよりは,昨年と変わった景色や建物を頭にインプットして,あっというまにゴ〜〜ル,8 kmなんて楽勝!! 50代半ばを過ぎ,どんどん衰える体力,記憶力,視力,体型……このまま朽ち果てるのかと思っていた.でも,「まだまだそういうわけにはいかない」という意地で続けている.「ノスタルジア」より「アミノ酸」,「感傷」より「コンチクショウ」なのである.
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