FOCUS
ここが変わった! 肝癌診療ガイドライン2017
竹村 信行
1
,
國土 典宏
1,2
,
長谷川 潔
2
Nobuyuki TAKEMURA
1
1国立国際医療研究センター病院肝胆膵外科
2東京大学大学院医学系研究科臓器病態外科学肝胆膵外科
pp.1030-1037
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212140
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はじめに
肝癌診療ガイドラインは厚生労働省診療ガイドライン支援事業により「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究班(班長 幕内雅敏)」によって,Evidence based medicine(EBM)の手法を原則として2005年に初版がまとめられた1).その後,日本肝臓学会によって2009年に第2版が,2013年に第3版が改訂・刊行された.ガイドラインの中心である「治療アルゴリズム」は厳密にエビデンスに基づいて作成されていたが,多種多様な内科的治療の実情をより反映した,いわゆる「コンセンサスに基づく治療アルゴリズム」も日本肝臓学会編集の「肝癌診療マニュアル第3版」2)に掲載されており,日本肝臓学会から2つの治療アルゴリズムが発信される状態であった.今回の「肝癌診療ガイドライン第4版」(2017年版)3)の改訂では,このダブルスタンダードの状態を解消し,一本化された新たな治療アルゴリズムが作成された.本稿では,外科臨床の現場で最も参照する機会が多いと考えられる治療アルゴリズムを中心に,肝癌診療ガイドライン2017の内容と改訂点のポイントを概説する.
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