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特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
肝硬変合併肝癌切除時の術前脾摘の有用性
The effect of splenectomy before hepatectomy in cirrhotic patients with hepatocellular carcinoma
竹村 信行
1
,
青木 琢
1
,
國土 典宏
1
Nobuyuki TAKEMURA
1
1東京大学医学部附属病院肝胆膵外科
キーワード:
肝細胞癌
,
肝硬変
,
肝切除
,
脾摘
,
肝機能
Keyword:
肝細胞癌
,
肝硬変
,
肝切除
,
脾摘
,
肝機能
pp.447-452
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102525
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要旨:肝硬変合併肝癌に対する肝切除の際には,門脈圧亢進症状に伴う合併症の周術期管理に細心の注意を払う必要がある.高度の血小板減少を呈する(≦50,000/μl),もしくは,側副血行としての胃・食道静脈瘤が内視鏡的治療に抵抗する肝硬変患者においては,これらをコントロールするためにそれぞれ脾摘,Hassab手術が行われる.脾摘,Hassab手術を肝切除と同時に行うか,肝切除に先行するかについては一定の見解はない.筆者らの施設では肝表に存在し切除の容易な腫瘍や,左側尾状葉など脾摘後の癒着の影響を強く受ける腫瘍は同時切除を行っているが,その他の場合には肝切除に先行して脾摘,Hassab手術を行ったほうが,出血量を少なく安全に肝切除ができると考えている.さらに脾摘によって血小板数の増加はもとより,血清ビリルビン値や肝合成能まで改善するといった報告もある.しかし脾摘術自体の合併症もあり,脾摘の適応についてのコンセンサスはまだ得られていない.
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