Japanese
English
特集 消化器悪性腫瘍診療におけるガイドラインの功罪
II. 各論
4.肝癌診療におけるガイドラインの功罪
Efficacies and limitations of the HCC guidelines
竹村 信行
1
,
長谷川 潔
2
,
國土 典宏
3
N. Takemura
1
,
K. Hasegawa
2
,
N. Kokudo
3
1国立国際医療研究センター病院肝胆膵外科
2東京大学肝胆膵外科,人工臓器・移植外科
3国立国際医療研究センター
キーワード:
肝癌診療ガイドライン
,
evidence based medicine
,
治療アルゴリズム
,
BCLCステージング
Keyword:
肝癌診療ガイドライン
,
evidence based medicine
,
治療アルゴリズム
,
BCLCステージング
pp.629-634
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka82_629
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肝癌診療ガイドラインは,2005年にevidence-based medicineの手法で策定され,4年ごとに改訂されてきた.その中心ともいえる「治療アルゴリズム」は長い歴史をもつ本邦の肝癌治療の背景を反映し,策定以来肝癌の日常診療において広く使われてきた.海外のガイドラインに目を向けると,香港はじめアジアのガイドラインとは類似点が多いが,患者背景の異なる欧米のガイドラインとは異なる点が多い.本ガイドラインの提示の明確さは高く評価されているが,費用対効果への言及,ガイドライン実践のモニタリングについてはまだ不十分であると評価されている.引き続き今後の肝癌診療の発展に貢献し,患者から一般臨床医,肝臓専門医まで広く重要な診療のツールとしてさらに活用されるよう,そのつど改訂が加えられる予定である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020