Japanese
English
臨床報告
胆道出血を合併し急性胆囊炎を発症した肝細胞癌の1例
A case of acute cholecystitis caused by hemobilia from hepatocellular carcinoma
齋藤 之彦
1
,
中川 有
1
,
中野 知之
1
,
武田 美貴
1
,
中鉢 誠司
1
,
大橋 裕介
2
Yukihiko SAITO
1
1栗原市立栗原中央病院外科
2東北大学病院病理部
キーワード:
肝細胞癌
,
胆道出血
,
胆囊炎
Keyword:
肝細胞癌
,
胆道出血
,
胆囊炎
pp.1038-1042
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212141
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要旨
症例は69歳,男性,上腹部痛で発症した.CTで肝S3およびS8にそれぞれ直径5 cm大の腫瘍を認めた.S3腫瘍は胆管浸潤が疑われた.肝切除術前に胆道出血が原因の閉塞性黄疸を発症し,内視鏡的逆行性胆管ドレナージを施行した.黄疸は軽快したものの急性胆囊炎を併発し,ドレナージ後5日目に胆囊摘出術を施行した.胆囊摘出後20日目に拡大肝左葉切除術,総胆管切除術,胆道再建術を施行した.病理検査では中〜低分化型肝細胞癌の診断であった.肝切除術から1年3か月で原病再発により死亡した.肝細胞癌に合併した胆道出血に続いて急性胆囊炎を発症した稀な1例を経験した.文献的考察を加えて報告する.
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