Japanese
English
臨床報告
両葉多発肝膿瘍を契機に発見された直腸癌の1例
A case of rectal cancer presenting with multiple liver abscesses
大島 由記子
1
,
小林 宏暢
1
,
大島 健司
1
,
木村 保則
1
,
中尾 昭公
1
Yukiko OSHIMA
1
1名古屋セントラル病院外科
キーワード:
多発肝膿瘍
,
大腸癌
Keyword:
多発肝膿瘍
,
大腸癌
pp.892-896
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211243
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要旨
症例は65歳,女性.発熱,右胸部痛で受診した.CT,腹部エコーで肝両葉に低吸収域を認め,多発肝膿瘍の診断で抗菌薬治療を行い,画像上肝膿瘍は縮小した.症状改善後,原因検査のため行った大腸内視鏡で直腸RSに2型腫瘍を認め,中分化腺癌の診断であった.肝転移はないと判断し直腸切除およびリンパ節郭清を行い,病理結果はpT3,int,INFb,ly1,v0,pN1,Stage Ⅲaであった.術後補助化学療法を行い,術後2年経過した現在,明らかな再発は認めていない.肝膿瘍では大腸癌併存の可能性を念頭に置き,原因検索を行うことが必要である.また,肝膿瘍を合併した大腸癌では術後経過観察において注意が必要である.
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