Japanese
English
臨床報告
左片腎状態下に左腎静脈離断・非再建とするも慢性腎不全を回避しえた1例
Recovery of renal function after left renal ligation in a patient undergoing a right nephrectomy
遠藤 出
1
,
山本 澄治
1
,
吉田 修
1
,
久保 雅俊
1
,
宇高 徹総
1
,
水田 稔
1
Izuru ENDO
1
1三豊総合病院外科
キーワード:
左腎静脈
,
腎不全
,
右腎摘出術後
Keyword:
左腎静脈
,
腎不全
,
右腎摘出術後
pp.897-900
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211244
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要旨
通常,左腎静脈には複数本の分枝が存在する.このため,両側正常腎存在下において,術中の視野展開などの際に左腎静脈を下大静脈近傍で離断し,非再建とする手技は許容しうるものとされている.しかし,左片腎状況下に左腎静脈を離断し,非再建とした報告は検索しえた範囲では認めなかった.今回の症例は58歳,男性.右腎摘出術の既往があり,左片腎状態であった.脂肪肉腫再発に対して開腹腫瘍摘出術を施行した際,術中に左腎静脈を下大静脈近傍で離断する状態となった.しかしこの時点で再建を行わず,断端の閉鎖のみの対処としたが,術後,慢性腎不全へ移行することなく経過した.本症例について,若干の文献的考察とともに報告する.
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