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両葉多発肝転移で発見された十二指腸カルチノイドの1例
白川 幸代
1
,
木戸 正浩
1
,
文 宣貴
1
,
木下 秘我
1
,
松本 逸平
1
,
富永 正寛
1
,
岩崎 武
1
,
福本 巧
1
,
具 英成
1
,
林 祥剛
2
1神戸大学医学部・肝胆膵外科
2神戸大学病院・病理部
pp.167-170
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100029
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患者 52歳,女性.
主訴 腹部膨満感.
既往歴 特記事項なし.
現病歴 検診の腹部超音波検査で肝腫瘤を指摘され前医受診,CTで肝両葉に多発する囊胞性腫瘤を指摘された.3か月後のCTで腫瘤の増大を認めたため,前医で肝生検施行,肝細胞癌と診断された.TACE施行するも効果なく,外科的治療目的で当院に紹介となった.
入院時現症 特記すべき異常所見なし.
入院時血液検査 腫瘍マーカー(AFP,PIVKAII,CEA,CA19-9)を含め,異常値を認めなかった.またHBV,HCV感染はなかった.
CT 肝両葉に腫瘤が多発していた.腫瘤の辺縁は動脈相で造影効果を受け,門脈相で周辺肝実質と等濃度を示した.また内部は不均一な低濃度で,非典型的ではあるものの中心壊死を伴う肝細胞癌としても矛盾しなかった(図1).
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