Japanese
English
特集 臓器生検の適応と手技
上部消化管の生検—食道・胃・十二指腸
Cytological and histological examination for cancer of the upper gastrointestinal tract
平塚 正弘
1
,
古河 洋
1
,
岩永 剛
1
,
今岡 真義
1
,
福田 一郎
1
,
石川 治
1
,
甲 利幸
1
,
佐々木 洋
1
,
亀山 雅男
1
,
大東 弘明
1
,
柴田 高
1
,
小山 博記
1
Masahiro HIRATSUKA
1
1大阪府立成人病センター外科
pp.1045-1051
発行日 1989年8月20日
Published Date 1989/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210419
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
上部消化管の生検の主な目的は,主病巣および副病巣が癌であるか否かの決定である.したがって,術前の内視鏡検査時に食道癌にはルゴール染色法,胃癌にはCongo red-methylene blue testなどを施行し,まず病巣の見逃しを防がねばならない.また術中には,残胃となる部の胃粘膜擦過細胞診や切除胃断端迅速組織診を行い,癌の遺残を防止しなければならない.腹腔洗浄細胞診では,肉眼的に腹膜播種の認められないP0でもS2の14%,S3の15%において下腹腔に遊離癌細胞が認められた.P0,S(+),根治手術例のうち,洗浄細胞診陰性例の5生率は31.7%であったが,陽性例は0%でほとんどが2年以内に死亡した.補助療法の適応を決めるためにも,進行胃癌では腹腔洗浄細胞診を行わねばならない.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.