Japanese
English
特集 臓器生検の適応と手技
下部消化管の生検
The purpose of biopsy in patients with large bowel disease
沢田 俊夫
1
,
北條 慶一
1
,
森谷 宜皓
1
Toshio SAWADA
1
,
Keiichi HOJO
1
,
Yoshihiro MORIYA
1
1国立がんセンター外科
pp.1053-1059
発行日 1989年8月20日
Published Date 1989/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210420
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下部消化管腫瘍性疾患について,生検の適応と手技について解説した.551個の内視鏡的摘除大腸ポリープの86.4%は腫瘍性であり,癌は11.6%であった.鉗子生検の正診率から検討すると,絨毛腺管腺腫,Grade Ⅲ異型腺腫,および癌に対する鉗子生検診断の信頼性は低く,ポリペクトミーが重要となる.特殊例を除けばm癌はポリペクトミーで治癒する.しかしsm癌の一部(Ⅰs,Ⅱa,Ⅱa+Ⅱc;10%)にリンパ節転移のリスクがある.最近2年間の大腸癌285例の組織型は,高分化50.2%,中分化39.3%であった.低分化,粘液癌は少ないが正診率も低い.生検診断を的確に行い,遠隔成績改善のために低分化腺癌,粘液癌には徹底した郭清と集学的治療が必要である.
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