Japanese
English
特集 重症患者の輸液・栄養
多臓器不全患者の輸液・栄養
Nutritional management of the patients with multiple organ failure
平澤 博之
1
,
佐藤 二郎
1
,
稲葉 英夫
1
,
菅井 桂雄
1
,
橘川 征夫
1
,
田畑 陽一郎
2
,
小高 通夫
2
,
磯野 可一
2
Hiroyuki HIRASAWA
1
1千葉大学救急部・集中治療部
2千葉大学第二外科
pp.1151-1157
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209488
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多臓器不全(MOF)患者のエネルギー代謝をindirect calorimetry法で測定したが,MOF患者はhypermetabolicであつた.しかしその程度は基礎代謝量の1.4〜1.5倍であり,従来の報告より低値であった.一方累積エネルギー代謝が−10,000 kcalを越えた例は全例死亡したので,エネルギー消費量にみあうエネルギー量を投与するのは不可欠であり,その方法としては中心静脈栄養法(IVH)が第一選択である.
しかし動脈血中ケトン体比からみて肝細胞内エネルギー代謝が低下している例では,投与された糖が利用されない可能性があり,肝細胞内エネルギー代謝を改善する必要がある.また腎不全をも合併した例では持続的血液濾過(CAVH)を併用しIVHを行うべきである.
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