カラーグラフ 胆道疾患の外科病理・12
胆嚢腺扁平上皮癌
松峯 敬夫
1
,
広田 英夫
1
,
前田 秀一
1
,
福留 厚
1
,
青木 幹雄
2
,
瀬戸 輝一
3
1東京都立墨東病院外科
2東京都立墨東病院病理
3帝京大学医学部病理
pp.1109-1111
発行日 1986年7月20日
Published Date 1986/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209482
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腺扁平上皮癌と扁平上皮癌
同一癌巣内に,腺癌と扁平上皮癌の像を併存する癌は,一般に,腺扁平上皮癌(adenosquamous carcinoma)と呼ばれている.
比較的稀なtypeであり,胃や腸にみられる機会はごく少ないが,胆道では,はるかに高率に発生するといわれ1),胆嚢癌における筆者らの検索でも,31例中7例,22.6%に腺扁平上皮癌が見出されている(表).このような癌巣中に占める腺癌と扁平上皮癌の比率はさまざまであり,時として,100%近く扁平上皮癌成分により占められることもあるが,純型の扁平上皮癌(squamous cell car—cinoma)とみなし得るものは極めて稀である.
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