特集 術後1週間の患者管理
食道癌手術
鶴丸 昌彦
1
,
小野 由雅
1
,
川村 武
1
,
秋山 洋
1
1虎の門病院消化器外科
pp.449-453
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207645
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食道癌患者の特異点は1)比較的高齢者が多い,2)術前,通過障害のため低栄養状態となつていることが多い,3)術前照射の影響(白血球減少,血小板減少,免疫能低下など)のみられることがある,などである.(胸部)食道癌手術では1)手術部位が頸部,胸部,腹部の三カ所にわたる.2)開胸操作を伴い,術中開胸側の肺は虚脱の状態におかれる時間がながい,3)側臥位のため非開胸側へ痰,分泌物が貯留しやすい,4)長時間の全身麻酔の影響で,肺界面物質活性低下→肺虚脱→喀痰の粘稠度増加による喀出困難がみられる,5)リンパ節郭清,特に気道周囲リンパ節,迷走神経肺枝付近の郭清が行なわれ,術後咳嗽反射低下がみられることがある.術後は呼吸管理,肺合併症の防止が最も重要である.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.